藤澤俊輔 「漫才コラム」と「漫才.コント.落語台本集」

漫才作家だけで食べていくために「オチを売るシステム」を模索中。「古典漫才」の普及を目指しフリー台本公開中。時々コントと落語


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●漫才その他

自分たちが一番楽しんでいる漫才

例えばある二人の人が,悪ふざけで漫才をしている場合,これは「自分たちが一番楽しんでいる漫才」ではなく,「自分たちだけが楽しんでいる漫才(のようなもの)」です。まじめであればあるほど,漫才は面白くなります。漫才に「悪ふざけ」が入り込む余地はありませ…

演じているようで…

漫才はいつも 演じていないようで,演じている演じているようで,演じていない これが醍醐味であると思います。 漫才には普通台本があるので,それを演じます。例えば,相方のセリフに驚くという場面があれば,驚く演技をすることになります。この場合,「演…

「M-0 グランプリ」のような企画

M-1グランプリは,「漫才」を宣伝するという点で大きな成果を上げていますが,どちらかというと,「漫才のため」というよりも,「若手漫才師のため」の大会という印象が強いように思います。もちろん,「漫才」に対する関心が高まり,「漫才人口」が増え,有望な若手が…

笑わせる・笑われる

「笑わせる」漫才は,どこか上から目線で押し付けがましいという印象があります。 「笑わせる」漫才は,おそらく笑いをとることはできると思いますが,見ている側は, 「笑わされている」という感覚(無意識の場合が多いですが)があり, 「心底笑う」という状態になれ…

ブーム(流行)って何?

「ブーム(流行)」というのは一体何物なのでしょうか… 漫才の世界にも,かつて「漫才ブーム」というものがありました。当時の漫才師は,まるでアイドルのようで,アイドル以上の人気をさえ得ていたように思います。 「流行」の波がどのようにして始まるのかはよく…

ハマカーンを応援

ハマカーンの漫才,みなさんはどう思われますか? このところ,浜谷さんの持っている独特のキャラクターを全面に出す漫才をしています。あの雰囲気はなかなか出せるものではありません。非常に貴重な人材です。しかし,なかなか知名度や評価が上がらないので…

スーツ

「漫才はスーツを着てやってほしい!」 これはわたしのかなり強い願いです。 きっちりとした格好でまじめな顔をして本気で変なことをする そんな姿がわたしは好きです。 絶対にスーツを着るというコンビがいますその時々で着たり着なかったりするコンビもいま…

「時間をかけてネタを育てる」という考え方

「ネタの使い捨て」というと言い過ぎかもしれませんが,最近の傾向はこれに近いものがあると思います。 同じネタでも,アドリブを入れることによって毎回様々な形に変化します。演じる漫才師が成長するとき,そのネタはさらに成長します。「一生」という時間をか…

漫才師と一本のマイク

漫才の象徴といえば, 一本のマイクです。マイクを中心にして二人がどう立つのかに注目したことがあるでしょうか?いろいろなタイプの立ち方があります。 1. 二人とも真っ正面を向いているタイプ 2. 二人が少しだけマイクの方を向いているタイプ 3. さらに横…

相方を笑わせたいという気持ち

ある番組でやっていた「プロポーズの仕方」というアンタッチャブルの漫才の中で,山崎さんがアドリブで変な顔をし,それを見た柴田さんが笑い転げるという場面がありました。山崎さんは変な顔を何度も繰り返し,仕舞いには横を向いて,柴田さんにしか見えない…

「カバー漫才番組」という企画

過去の名作と言われる漫才を,最近の漫才師がカバーするという内容。 過去の名作と言っても,一般的には知れていないものが多いので,本家本元の漫才をほどよく流し,そのネタの雰囲気を見てもらいます。 それから,そのネタをどのようにカバーし,どのよう…

「しゃべくり漫才コント」という分類

「漫才コント」は,二つに分類することができると思います。 一つは「最初から最後までほぼ役になりきって話を進めるもの」,もう一つは「何かの役を演じてはいるものの, 要所要所で役ではない本人としてのセリフを入れるもの」です。 後者のような「役ではない本…

嘘のない漫才を

ある時から急におもしろい漫才をするようになった漫才師がいます。 もちろん本人たちからすれば,「急に」おもしろくなったというよりも,試行錯誤の末,やっと自分たちの得意な漫才のスタイルを見つけることができたという感覚だと思いますが… 比較的最近では…

漫才における「動き」の是非

本当にマイク一本で漫才をやっていた時代は,当然のことですが,あまり「動く」ことができませんでした。今はピンマイクのおかけで,かなり自由に動くことができるようになりました。 「動き」の多い漫才を見ていて,「こういうのもなかなかいいな」と思う時もあれ…

相方との関係性

大抵の場合, ツッコミよりもボケのほうが目立ちます。普通ボケることで笑いを起こすわけですから,ボケのほうが目立つのは当然のことかもしれません。しかし,ボケのほうが目立つ要因は他にもあると思います。それはボケの人がネタを作り,主導権を握ってい…

なぜ伝統芸能にしたいのか

それはただ単純に「名作漫才」が見たいからです。 そしてその「名作」を後代にまで語り継いでゆきたいからです。 「名作」はみんなの財産であり,みんなの力で守るべきものだと思います。 今のままでは,どんな「名作漫才」でも,いずれはほとんど忘れ去られてしまい…

漫才師らしい雰囲気

「雰囲気がある人」という言い方があります。 それには,持って生まれたものも関係あるでしょう。生まれながらにして漫才師としての雰囲気を持った人ももしかしたらいるのかもしれません。 しかし,雰囲気というのは,ただ持って生まれたものだけであるという…

おぎやはぎ

テンションは低い勢いはないほとんど動かないでも,おもしろい! これは,おぎやはぎの漫才をはじめて見た時の感想です。衝撃的でした。 漫才師としてある意味恵まれた素質を持つ小木博明さん 小木さんのキャラクターを最大限に活かすツッコミでありながら,…

古典落語のオチの位置づけ

古典落語が好きな方は,その話のオチをすでによく知っています。 「やっぱりさんまは目黒にかぎる」 これは「目黒のさんま」という古典落語のオチです。 多くの方はこのオチをはじめて聞いた時,「なるほど!」「そうきたか!」と感じたと思います。しかし,2回目・3…

「一本ネタ」のすすめ

「一本ネタ」とは,最初から最後まで一つのテーマで話(漫才)をすることです。 このところ,TVでの漫才の持ち時間は少なく,最近では1分でどれだけ笑わせることができるかというような番組もあり,1,2分で終わる漫才のネタを作らなければならない状況にあります…

漫才は無限である

同じネタでも,演じるたびに違うものになります。 その日のコンディションお客さんの構成や反応相方のアドリブ これらの要素によって,同じネタなのに,見るたびに全く違ったネタになり得ます。 何年も,何十年も,同じネタをやり続けるなら,そのネタは変化…

キングコング

キングコングは誤解されていると思います。 西野さんの顔立ちが良いこと梶原さんがよく動くこと若くして売れたこと華があること など,漫才とはあまり関係のない部分で注目されていることが,誤解される原因ではないかと思います。 キングコングのお二人は,…

おかしみ

「おかしみ(可笑味)」とは,「おかしい感じ, こっけいなおもむき」のことです。 落語の場合, 必ずしも笑いを取る必要はありません。落語の「人情噺」は,笑わせるのではなく,泣かせる話です。 漫才でも人情噺をやるようになる時代が来るというのはあまり想像で…

「いいかげんにしろ!」を廃止にしたら…

「いいかげんにしろ(しなさい)」「もういいよ」などは関東を中心に,「やめさせてもらうわ」「もうええわ」などは関西を中心として使われている,漫才を終える時の言葉です。なぜこのように,漫才の終わりを告げる合図が必要なのでしょうか? それは,ネタが十分に「…

「また同じネタか」なんて言わないでください

TVで同じネタをやっているのを見ると,「また同じネタか」「このネタ知ってるからつまらない」という声をよく耳にします。 確かに,同じネタを全く同じように演じていたら,あきてしまいます。しかし,大抵はその時々にアドリブが入るので,「同じネタでも前回と…

古典漫才・カバー漫才

落語の世界には「古典落語」があり,音楽の世界には「カバー曲」があります。 なぜ漫才の世界にはないのでしょうか… それには,ネタの完成度の問題があると思います。これは,「笑える」という意味での完成度のことではありません。「作品(話)」として完成度のことで…

「なぞかけブーム」が去る前に…

Wコロンは以前からなぞかけをやっていましたが,TVで取り上げるのは難しいだろうと思っていました。 まさかこんな大ブームになるとは… 「うまいんだけどおもしろくない。すごいんだけど笑えない」と言われ続けてきたのが,Wコロンのねずっちさんです。それでも…

まずはM-1から

現在最も有名で, 最も影響力のある漫才番組は, M-1グランプリだと思います。 M-1での持ち時間は基本的に4分です。せめて最終決戦(最後の3組の漫才)だけでも, 時間を増やしたりいいのにと思っています。「普段漫才番組は見ないけど, 毎年M-1だけは見ている…

TVでの漫才の持ち時間を増やす方法

TVでの漫才の持ち時間は,大抵4分前後です。しかし,生放送の場合,時間が押してしまい「2分でお願いします」などということもあります。しっかりとしたオチがあるネタを半分の時間で演じるなら,場合によっては全く意味のわからないオチになってしまうことも…

夢路いとし・喜味こいし

味わい深い漫才師と言えば, なんといっても夢路いとし・喜味こいしさんだと思います。 最近の漫才しか知らない方からすると,いとしこいしのお二人の漫才は,テンポが遅く, 笑いの数も少ないと思えるかもしれません。しかし,漫才の醍醐味は必ずしも,「ス…

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