2010-01-01から1年間の記事一覧
以前にも書きましたが,漫才の持ち時間というものは短い場合が多く,どうしても短いネタ,2,3分のネタを用意する必要があります。たまに長い持ち時間を与えられると,その短いネタを2つ,時には3つ繋げて演じることがあります。このような習慣は,あまり良く…
立ち姿の美しさというのは,姿勢・立つ角度(もしくは立った時の向き)・マイクからの距離・二人のバランスなどによって決まると思います。 みなさんは漫才を見る時,立ち姿の美しさを気にしていますか? コンビのうち一人だけではなく,二人とも,また二人の…
コントでは,最初から最後まである役を演じ続けるのが普通なので,「素の自分」としてセリフを言うことは通常ありません。「素の自分」のセリフがあるコントもないわけではありませんが,そのようなコントは,シュールなコントという位置づけになると思います。 …
合唱コンクールなどでは,課題曲というものがあり,みなが同じ曲をそれぞれの持ち味を活かして歌います。それと同じように,同じネタを何組かの漫才師に演じてもらい,その違いを楽しむという企画です。 まず,できるだけ無名の漫才師に課題ネタを台本通りに…
外見は,スーツなどを着てある程度「格好をつけて」ほしいと思いますが,ここで言う「格好をつけない」とは,主に内面のことです。今は売れている漫才師の中にも,若い頃は「格好をつけていて全然おもしろくなかった」と言う方も少なくありません。 「格好をつける」…
現状では,「漫才師」と「お笑い芸人」を区別する意味はほとんどありません。これは,「漫才」だけで食べていけるような環境がないということを示唆しているのではないかと思います。 「お笑い芸人」としての様々な経験は,「漫才師」としての成長に寄与するとは思いま…
漫才を始める前に マイクの高さを調整する 漫才師の仕草が ちょっと好き
大事なのは変わってくこと 変わらずにいること—槇原敬之,「遠く遠く」より 漫才師の場合,「一生漫才を続ける」という信念を「変わらずに」持ち続けることは,大切なことです。 しかし,実際に一生漫才を続けられる漫才師とは,絶えず「変わってく」ことのできる人…
TVという短い持ち時間でも,落語でいう枕のようなものをうまく取り入れている例を挙げてみたいと思います。 ますだおかだ「パァ,出た!」などのギャグの後も少しの間自由に泳がされている岡田さんと,それを見て少し笑っている増田さん,この時間は枕のような…
落語には「枕(まくら)」というものがあります。本題に入る前の話,今風に言えばフリートークのようなものです。 落語や漫才だけでなく,生の舞台は生き物であるとよく言われます。毎日違ったお客さんが入り,その日その日の「空気」というものがあります。「空気」…
「円熟味が増し,味わい深くなった」 これが最近のフットボールアワーの印象です。 フットボールアワーの味わいは,「しゃべくり漫才」の時に発揮されるように思います。岩尾さんの持つあの独特の雰囲気は,「漫才コント」で何かの役を演じるよりも,「しゃべくり漫…
往年の夢路いとし・喜味こいし センターマイクのところへ こいしさんが先に到着し いとしさんが後からゆっくりと歩いてくる感じが ちょっと好き
よく正統派漫才といわれるますだおかだですが,現在のスタイルは, 「ボケ」と「ツッコミをボケさせる(すべらせる)」というものです。 わたしの記憶が正しければ,M-1で優勝した後から,岡田さんにたくさんボケさせるというスタイルが定着したように思います。増…
ライセンスの 井本さんの 漫才の時の立ち方が ちょっと好き
TVのネタ番組でこれほどまでに繰り返し同じネタをやる漫才師は中川家しかいない,と言っても過言ではないと思います。 わたしは中川家の漫才を,「さすがにもうこのネタは飽きたな」という気持ちで見始めるのですが,最後には決まって「おもしろかった!」と感じ…
「最も楽しそうに漫才をする漫才師」 これが,アンタッチャブルに対するわたしの印象です。 あれほどまでアドリブを入れた漫才ができれば,当然楽しくて仕方がないと思います。 山崎さんは隙あらばアドリブで小さいボケを連発し,それだけでも十分笑っていると…
かつてのブラックマヨネーズは,服装は「特殊」,漫才のスタイルは「普通」のボケとツッコミでしたが,それがいつからか逆転しました。服装は「普通」,漫才のスタイルは「特殊」という形に。 吉田さんは「ボケ」というより「過度に心配する人」小杉さんは「ツッコミ」とい…
わたしは現在32歳ですから,日常生活で10代の方と接点を持つ機会はほとんどありません。まして,10代の方と漫才について語り合う機会など,見いだすことは不可能だと考えていました。 ところが,ブログを通して何人かの方からコメントをいただき,やり取りを…
どこからどこまでが中堅なの? 漫才師の場合,何年漫才をやっているのかということよりも,「売れる」時期のほうが大きいようです。 なかなか売れない場合,10年以上やっていても「若手」というイメージがあり,早く売れればそこそこの年数でも「中堅」という感じ…
例えばある二人の人が,悪ふざけで漫才をしている場合,これは「自分たちが一番楽しんでいる漫才」ではなく,「自分たちだけが楽しんでいる漫才(のようなもの)」です。まじめであればあるほど,漫才は面白くなります。漫才に「悪ふざけ」が入り込む余地はありませ…
漫才はいつも 演じていないようで,演じている演じているようで,演じていない これが醍醐味であると思います。 漫才には普通台本があるので,それを演じます。例えば,相方のセリフに驚くという場面があれば,驚く演技をすることになります。この場合,「演…
M-1グランプリは,「漫才」を宣伝するという点で大きな成果を上げていますが,どちらかというと,「漫才のため」というよりも,「若手漫才師のため」の大会という印象が強いように思います。もちろん,「漫才」に対する関心が高まり,「漫才人口」が増え,有望な若手が…
「笑わせる」漫才は,どこか上から目線で押し付けがましいという印象があります。 「笑わせる」漫才は,おそらく笑いをとることはできると思いますが,見ている側は, 「笑わされている」という感覚(無意識の場合が多いですが)があり, 「心底笑う」という状態になれ…
「ブーム(流行)」というのは一体何物なのでしょうか… 漫才の世界にも,かつて「漫才ブーム」というものがありました。当時の漫才師は,まるでアイドルのようで,アイドル以上の人気をさえ得ていたように思います。 「流行」の波がどのようにして始まるのかはよく…
ハマカーンの漫才,みなさんはどう思われますか? このところ,浜谷さんの持っている独特のキャラクターを全面に出す漫才をしています。あの雰囲気はなかなか出せるものではありません。非常に貴重な人材です。しかし,なかなか知名度や評価が上がらないので…
「漫才はスーツを着てやってほしい!」 これはわたしのかなり強い願いです。 きっちりとした格好でまじめな顔をして本気で変なことをする そんな姿がわたしは好きです。 絶対にスーツを着るというコンビがいますその時々で着たり着なかったりするコンビもいま…
「ネタの使い捨て」というと言い過ぎかもしれませんが,最近の傾向はこれに近いものがあると思います。 同じネタでも,アドリブを入れることによって毎回様々な形に変化します。演じる漫才師が成長するとき,そのネタはさらに成長します。「一生」という時間をか…
漫才の象徴といえば, 一本のマイクです。マイクを中心にして二人がどう立つのかに注目したことがあるでしょうか?いろいろなタイプの立ち方があります。 1. 二人とも真っ正面を向いているタイプ 2. 二人が少しだけマイクの方を向いているタイプ 3. さらに横…
過去の名作と言われる漫才を,最近の漫才師がカバーするという内容。 過去の名作と言っても,一般的には知れていないものが多いので,本家本元の漫才をほどよく流し,そのネタの雰囲気を見てもらいます。 それから,そのネタをどのようにカバーし,どのよう…
ある番組でやっていた「プロポーズの仕方」というアンタッチャブルの漫才の中で,山崎さんがアドリブで変な顔をし,それを見た柴田さんが笑い転げるという場面がありました。山崎さんは変な顔を何度も繰り返し,仕舞いには横を向いて,柴田さんにしか見えない…