ラーメンの注文の仕方
富澤:食べ物の中でラーメンが一番好きなんですよ
伊達:ラーメンはうまいですよね
富:昨日もラーメン屋に行ってきまして…
伊:おっ!いいですねぇ。何ラーメン食べたんですか?
富:食べてないです
伊:ラーメン屋行ったんでしょ?
富:行ったけど,ラーメン食べてないです
伊:なんでだよ。食べ物の中でラーメンが一番好きなんでしょ?
富:ラーメンが一番好きです
伊:で,昨日ラーメン屋に行ったんでしょ?
富:昨日ラーメン屋に行ってきました
伊:で,ラーメン屋で?ラーメンを?
富:食べてないです
伊:だからなんでだよ
富:どうもうまく注文が言えなくて,あきらめて食べずに帰った
伊:「ラーメンの注文がうまく言えない」っておかしいでしょ。「あきらめて食べずに帰った」っていうのもおかしいし。ラーメンが一番好きなんですよねぇ
富:「好きだからこそ言えない」みたいのあるじゃないですか
伊:なんだその恋心みたいなの。初恋か!
富:コンディションによってはうまく注文できない日もあるでしょ
伊:ないわ!
富:お前はプロだからだろ?
伊:プロってなんだよ。ラーメンを注文するプロってこと?そんな奴いないわ!
富:難しいんですよ注文の仕方が
伊:難しくないでしょ。テーブルの上のボタンを押せば来るでしょ,店員が
富:来なかった
伊:押したのに?
富:押してない
伊:押せよ
富:なんでだよ
伊:押さなきゃ来ないんだよ
富:なんで押さなきゃ来ないんだよ
伊:押したら来るシステムなんだから,押さなかったら来ないシステムなの
富:あ〜システム上の問題ね
伊:そんな大層な話じゃないんだよ。だいたいなんで押さないの?
富:「ご注文がお決まりになりましたら押してください」って言われたから
伊:決まらなかったの?
富:迷っちゃって
伊:何と何で?
富:ラーメンか寿司
伊:なんだって!?
富:だから…ラーメンにするか寿司にするかで迷ってたの
伊:何と何で迷ってんだよ!
富:だから…ラーメンにするか寿司にするかで迷ったって言ってん…
伊:ラーメン屋だろぉ〜!! お前が入ったの
富:ラーメン屋だよ
伊:だったらラーメンだろうが!
富:なんでお前が決めるんだよ。俺の注文を
伊:そのラーメン屋は寿司もやってんのか
富:そんなラーメン屋あるわけないだろ
伊:分かってるわ!
富:だったら聞くなよ!
伊:なんだこのトラップ。とにかく,ラーメンにするか寿司にするかっていうのは店に入る前に考えるべきことなの
富:入ってから迷っちゃ駄目なの?
伊:駄目だよ。ラーメン屋に入ったんならいさぎよくラーメンだろ
富:えぇ~チャーハンがいいよぉ〜
伊:チャーハンならありなんだよ!!
富:チャーハンはいいの?
伊:いいよ
富:だったら寿司だって…
伊:駄目だよ
富:どっちも米なのに?
伊:原材料の問題じゃないの。ラーメン屋に置いてないだろ寿司は
富:置いてあるものだったらいいの?
伊:いいよそりゃあ
富:じゃあ「ラーメンとメンマどっちにしようかなぁ〜」って迷うんならいいってことね
伊:いいけど……「ラーメンとメンマどっちにしよっかなぁ~」って迷って「メンマにしよ!」っていうことはないからね
富:なんでだよ。あるかもしれないだ…
伊:ないわ!
富:だから難しいって言ってんの
伊:何が?
富:チャーハンはいいけど寿司は駄目とか,ラーメンとメンマは迷ってもいいけどメンマを選ぶことはないとか,注文のルールが難しいんですよ
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