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かつらと文金高島田

みゆき:私いい加減結婚したいんだけど,紹介してくれない?

さとみ:どんなタイプがいいの?

みゆき:ちょっと言いにくいんだけど…,髪が薄くなりかけてるかんじの人がタイプなんだよねぇ

さとみ:あ〜ハゲかかってるってことね

みゆき:「ハゲかかってる」って言うのやめてくれる?

さとみハゲのどこがいいの?

みゆき:だから「ハゲ」じゃなくて,髪が薄くなりかけてる人。おでこが聡明なかんじでかっこいいでしょ

さとみ:それはなんとなく分かるわ。ハゲかかってる人ならどんな人でもいいの?

みゆき:だから「ハゲ」って言わないでよ

さとみ:一緒でしょ

みゆき:一緒じゃないし,言い方大事だから

さとみ:まぁまぁ言い方は大事だよね。たとえ一緒だったとしもね。髪が薄くなりかけてる人ね。髪が薄くなりかけてる人ならどんな人でもいいの?

みゆき:結婚してから少なくとも3年は髪が薄くなりかけてるかんじをキープしてくれる人がいい

さとみ:何その無理難題

みゆき:無理難題なの!? 普通3年くらいはキープできるでしょ

さとみ:ハゲかかってる人はみんな結婚したらすぐ毛抜けるでしょ

みゆき:いやいや,それは人によるでしょ

さとみ:みんなそうだって。独身の時は「もてたい!」っていう一心で毛穴にものすごい力入れて本来なら抜けるはずの髪の毛をがっちりとつかんでるがゆえにかろうじてあの状態を保ってるんだから

みゆき:毛穴に力入れてつかんでるの!? もてるために?

さとみ:だから結婚して気が抜けた瞬間,毛も抜けちゃうんだよ

みゆき:気が抜けて,毛も抜けるの!?

さとみ:そうよ。結婚式が終わったらすぐ抜けちゃうわよ。あっという間よ。「あ〜,終わった,終わった」って言って文金高島田を取るときにワッサァ〜って抜けちゃうわよ,普通は

みゆき:そんなに早く!? っていうか…ちょっと待って。なんで文金高島田かぶってんのよ

さとみ:結婚式だからに決まってるでしょ

みゆき:男は文金高島田なんてかぶんないでしょ

さとみ:あ〜そうだっけ?女の人がかぶるのが文金高島田か。男の人がかぶるのは何高島田?

みゆき:何高島田でもないわよ。高島田をなんだと思ってんのよ

さとみ:じゃあ男の人は何かぶるのよ?

みゆき:なんにもかぶんないわよ,男の人は

さとみ:いやでも,あんたの旦那のたかし君はかぶんないと駄目でしょ

みゆき:たかし君?

さとみ:島田たかし君

みゆき:誰よ,島田たかしって?

さとみ:あんたが結婚する旦那の仮の名前

みゆき:勝手に名前つけないでよ。私そんな高島田みたいな名前の人と結婚しないから

さとみ:でもどうせあんたの旦那になる人はハゲかかってるわけでしょ?

みゆき:髪が薄くなりかけてる!

さとみ:だったら結婚式の時は何かかぶったほうがいいでしょ

みゆき:いいんだよかぶんなくて。髪が薄くなりかけてるところが好きなんだから

さとみ:よくないでしょ。結婚式でスポットライトを浴び続けると,ハゲかかっているたかし君の頭皮はダメージを受けて,結婚式のクライマックスあたりでワッサワッサと抜けちゃうからね

みゆき:クライマックスあたりでワッサワッサと!? それは困るよ

さとみ:でしょ?だから「たかし君にはなんかかぶせといたほうがいい」って言ってんの

みゆき:じゃあかぶせる。絶対にかぶせる。最低でも3年は髪が薄くなりかけてる状態をキープしてもらわないと困るから

さとみ:かぶせるといえば当然かつら的なものだけど,「結婚式」で「かつら」といえば…桂由美あたりかな

みゆき:無理でしょ,桂由美

さとみ:有名人だからスケジュールがなかなかねぇ…

みゆき:そういうことじゃなくてさ,かぶれないじゃん

さとみ:桂由美のスケジュールが埋まってて駄目だった場合は,桂歌丸でもいいんじゃない?

みゆき:無理だから。かぶれないって言ってんの。歌丸師匠かぶってもあんまり意味ないし…

さとみ:結局ハゲちゃってるっていうね(笑)

みゆき:普通のかつらでいいよ

さとみ:たださぁ,結婚式の最初から最後までかつらかぶりっぱなしってのも髪によくないんじゃないかと思うんだよね

みゆき:あ〜蒸れたりするから?

さとみ:そう。あれはかなりのダメージだと思うのよ。だからさぁ,結婚式の途中でかつらを取ったほうがいいと思うんだよね

みゆき:場内騒然でしょ。結婚式の途中でかつらなんて取ったら

さとみ:自然なタイミングで取れば大丈夫よ

みゆき:結婚式の最中にかつらを取る自然なタイミングなんてないからね

さとみ:あるよ

みゆき:あるの!?

さとみ:ただそのためには,指環交換はあきらめないと駄目だけどね

みゆき:なんでよ。嫌だよ。指輪交換あきらめるなんて

さとみ:あぁそう。じゃあ…結婚式のクライマックスでたかし君の髪の毛がワッサワッサと抜けてもいいのね?

みゆき:クライマックスでワッサワッサは勘弁してよ。でも関係ないでしょ指輪交換とは

さとみ:指環交換じゃなくてかつら交換をするのよ

みゆき:かつら交換!?

さとみ:2人の愛の証としてかつらを交換しようとするんだけど,旦那のたかし君の方が頭が大きいから,あんたの文金高島田をかぶろうとしても入らなくて仕方なくかぶるのをあきらめる。ね?自然でしょ?

みゆき:……。ある意味自然だけど,かつら交換っていうセレモニーがめちゃくちゃ不自然でしょ

さとみ:なんだってね,最初に始める人は馬鹿にされるもんなの。あんた,ジョナス・ハンウェイって人知ってる?

みゆき:ジョナス・ハンウェイ?誰それ?ハゲかかってる人?

さとみ:ハゲかかってたかどうかは知らないけど,一番最初に雨傘をさし始めた人として有名な人よ

みゆき:雨傘?

さとみ:傘っていうのは元々日傘だったのよ。それを雨の日にさし始めたハンウェイは,ずっと馬鹿にされた。それでも30年間ずっと雨の日に傘をさし続けて,やっと人々に認められたの。今じゃ「傘」といえば雨傘の方が主流でしょ?だから,馬鹿にされても続けていれば,いずれは指輪交換よりもかつら交換の方が主流になる日がくるかもしれないってことよ

みゆき:さとみ(泣)いい話ね。じ〜んときた。分かった。やってみるわ,かつら交換。だから,とにかくいい人紹介して

さとみ:ハゲかかってる人ね

みゆき:髪が薄くなりかけてる人ね

さとみ:島田たかしくんなんてどう?

みゆき:本当にいるの?そんな高島田みたいな名前の人

さとみ:いる。しかもいいかんじでハゲかかってる

みゆき:私たかしと結婚する。指輪交換はあきらめるし,かつら交換もする。だから,早く紹介して!

さとみ:いや…まだ会ってもいないのに…

みゆき:時間がないの。いろんな意味で。明日ね。明日紹介して

さとみ:分かったわよ。紹介するわよ

みゆき:明日どんな格好して行こう。絶対おしゃれしていったほうがいいわよね。そうだ!文金高島田をかぶって行こう!

さとみ:やる気出しすぎだから。文金高島田って。おしゃれじゃないし

みゆき:でも,たかしはかつらかぶってくるんでしょ?

さとみ:まぁ…くるかもね。たかし君も早く結婚したいらしいから,とびっきりおしゃれなかつらをかぶってくるかもしれないけどさぁ…

みゆき:だったら私もかぶっていったほうがいいでしょ

さとみ:別に合わせてかぶる必要ないでしょ

みゆき:自分だけかつらかぶってるのは気まずいでしょ

さとみ:文金高島田かぶった女と街を歩くほうが気まずいわ

みゆき:とにかく私はこのチャンスを絶対に逃すわけにはいかないの。たかしに合わせて何かかぶっていって「あっ,この人気が利くな」って思ってもらってなんとしてでも結婚に持ち込みたいの。だから何かかぶっていかないといけないの!

さとみ:だったら帽子でいいでしょ

みゆき:帽子かぶっていったらうまくいくの?この話

さとみ:知らないわよ〜

みゆき:ちょっと〜,何かぶっていったらいいかまじめに考えてよ〜

さとみ:まじめにって言われても,「かぶったらうまくいく」とかそういう問題じゃないでしょ…あ!? 分かった!

みゆき:え?何?何をかぶっていけばうまくいくの?

さとみ:猫をかぶっていけばいい

 

 

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