「いいかげんにしろ!」を廃止にしたら…
「いいかげんにしろ(しなさい)」「もういいよ」などは関東を中心に,「やめさせてもらうわ」「もうええわ」などは関西を中心として使われている,漫才を終える時の言葉です。なぜこのように,漫才の終わりを告げる合図が必要なのでしょうか?
それは,ネタが十分に「落ちていない」からです。
「オチ」がしっかりしていれば, このような言葉はいりません。「終わりを告げる合図をしなければ終われないネタというのはどうなのだろう」と,いつも思ってしまいます。
もし本当に「いいかげんにしろ!」を廃止するなら,ネタ作りが難航することになります。きれいなオチをつけるのは,決して簡単なことではないからです。
この問題を解決するためには,ネタを作る人の数を増やすことにあると思います。漫才作家を増やすということです。漫才師本人がネタを作るというのが今の若手の主流となっていますが,本人たちが完成度の高い漫才を作り続けるというのは無理があります。演じるのは苦手でも,いい作品を作れる人がまだまだたくさんいるのではないかと思います。
優れた漫才作家の発掘を,事務所をあげて行なってほしい!
環境が整えば,才能のある様々な方がネタを書いてくれるはずです。そうすれば,若手であっても,作家の書いたネタができるようになります。
どんな分野でもそうですが,裾野を広げなければいずれ衰退してしまいます。若手と作家に優しい環境を作れないものかと,日々考えています。