藤澤俊輔 「漫才コラム」と「漫才.コント.落語台本集」

漫才作家だけで食べていくために「オチを売るシステム」を模索中。「古典漫才」の普及を目指しフリー台本公開中。時々コントと落語

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多忙な株式仲買人のロマンス

 

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当て書き:サンドウィッチマン富澤たけし / 伊達みきお

 

伊達:世の中忙しい人っていっぱいいますけどね,一番忙しいのは株の取引をしている証券会社の人だよね

富澤:間違いないね

伊:ここか,富澤証券。なんか緊張するなこういうとこ入るの

富:そんなことより,証券会社の人がなんであんなに忙しいのかという話ですよ。株の取引っていうのは時間との戦いですからね,どうしても…

伊:ちょっと待てって

富:えっ?

伊:どうした?

富:何が?

伊:俺今ちょうど富澤証券に入ろうとしてろ

富:富澤証券ってなんだよ

伊:証券会社の名前だよ

富:お前漫才の最中に証券会社に行こうとしてたの?

伊:そういうコントだろ

富:漫才だろこれ

伊:分かってるよ。漫才だけどコントなんだよ

富:漫才だけどコント?何その哲学的な発言

伊:全然哲学的じゃないわ。俺らの漫才だいたいそうだろ。「世の中で一番興奮するのは〜だよね」って俺が言って,「間違いないね」ってお前が言って,コントに入るっていう

富:ちょっと何言ってるか分からない

伊:なんでだよ。これまでずっとこのスタイルでやってきただろ

富:昔はもう少し痩せてましたけどね

伊:そっちのスタイルじゃねぇよ。「漫才始まったらすぐコントに入ってただろ」って言ってんの

富:ちょっと思い出せない…

伊:こういうのに「思い出せない」とかある?

富:そもそも漫才の王道はしゃべくりですからね

伊:分かってるよ。俺らそういうのできないから漫才コントから始めて,最近はしゃべくりもできるようになってきたんだよ

富:漫才コントなんてやめた方がいいですよ。ちゃんとしゃべくりやんないと。しかも証券会社の漫才コントなんて絶対おもしろくないでしょ

伊:お前が言うなよ。俺らこれまで散々漫才コントやってきただろ。それに,お前が証券会社の漫才コントの台本書いてきたんだからな。俺だって「証券会社の漫才コントってなんだよ。全然おもしろくねぇな」って思ったけど,お前が「どうしてもやりたい」って言うから今日やることになったんだぞ。それも忘れたの?

富:ちょっと思い出せない…

伊:本気で言ってんの?じゃあ今日これからどうすんの?

富:これから?仕事終わったら今日はまっすぐ帰るよ

伊:予定聞いてんじゃないんだよ。お前今やろうとしている証券会社の漫才コントも忘れちゃったんだろ?

富:証券会社の漫才コントなんて書いた記憶すらない

伊:だから「この後漫才どうすんだよ」って聞いてんの

富:(笑)「この後漫才どうすんだよ」って(笑)漫才の最中に聞いちゃ駄目だろ

伊:お前のせいだよ

富:俺のせいなの?

伊:あたりまえだろ。お前がネタ忘れたからだろ

富:そういうことなら…,俺が責任を取りますよ

伊:どうやって責任取るんだよ

富:証券会社の漫才コントは思い出せないけど,めちゃくちゃ忙しい証券会社の人の話ならできるから,その話しますよ

伊:お前証券会社の人の話なんて知ってんの?

富:俺の友人で証券会社に勤めてるやつがいますから

伊:お前の友人で?同級生の中にたまたま優秀なやつがいて証券会社に就職したのかな

富:ハーヴェイ・マクスウェルっていうやつなんですけどね

伊:外国人!? 絶対お前の同級生じゃないだろ

富:マクスウェルは株の取引でそれはもう忙しい生活を送ってましてね,仕事の時は「人間」っていうよりもう「機械」みたいなんですよ。うなりをあげて回転する歯車と勢いよく弾けるぜんまいで動く多忙きわまりない「証券マン」という名の機械

伊:だいぶ言い回しがかっこいいけど,そんなにすごいの?そのマクスウェルさんって人は

富:とにかく仕事はものすごくよくできるやつなんだけど,欠点があるんですよ

伊:まぁまぁ人は誰しも欠点の一つや二つありますからね

富:仕事に熱中しすぎて,それ以外のことをすぐ忘れちゃうっていうっていうね

伊:それお前だろ

富:俺そこまで仕事に熱中しすぎてないだろ

伊:だからだろ。だからネタ忘れるんだよ

富:マクスウェルの物忘れ具合は俺よりももっとひどいから

伊:お前の物忘れよりもひどいの?

富:マクスウェルにはレズリーという女性のアシスタントがいて,一年くらい一緒に働いてたんだけど,事情があって仕事をやめることになったんですよ

伊:アシスタントのレズリーさんが?

富:それで,「次のアシスタントをよこしてほしい」って紹介所に頼んだら,早速次の日に来たんですよ

伊:「働かせてほしい」っていう人がね

富:その時マクスウェルは秘書にこう言ったの

伊:なんて言ったんですか?

富:「僕がなぜそんなことを頼まなくちゃならないんだ?ミス・レズリーが来てくれてからこの一年,仕事ぶりに不満を持ったことなど一度もない。彼女が辞めると言い出さない限り,仕事は彼女に任せる。紹介所に連絡して募集を取り消しておくように。これ以上こういう人に押しかけて来られてはかなわない」

伊:レズリーさんが辞めるということをすっかり忘れてたの!?

富:しかも,「紹介所の頼んでおいてくれ」って自分で指示したことも忘れてますからね

伊:重症だなそれは。お前の物忘れと同じくらいひどいわ

富:まだ続きがあるから。絶対マクスウェルの物忘れの方がひどいから

伊:これよりさらにひどい物忘れがあるの?

 

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題材:多忙な株式仲買人のロマンス / O.ヘンリー
   The Romance of a Busy Broker / O.Henry

 

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