藤澤俊輔 「漫才コラム」と「漫才.コント.落語台本集」

漫才作家だけで食べていくために「オチを売るシステム」を模索中。「古典漫才」の普及を目指しフリー台本公開中。時々コントと落語


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ダウンロード

当て書き:三拍子(高倉陵 / 久保孝真

 

久保:うちのパソコン,ダウンロードにものすごく時間かかるんですよ

高倉:お前ダウンロード中ちゃんと画面見てる?

久:画面?あんまり見てないけど…

高:見られてないとやる気出ないからね

久:誰が?

高:パソコンがだよ

久:パソコンにやる気出るとか出ないとかないだろ

高:お前だって今ここにお客さんが1人もいなかったらやる気出ないだろ?

久:なんの話してんだよ

高:だから…今ここにお客さんが1人もいなかったら,お前のつっこみのテンション下がるだろって言ってんの

久:誰も見てないところでハイテンションでつっこむのおかしいからね

高:パソコンだって誰も見てないところでハイテンションでダウンロードするのおかしいだろ

久:ハイテンションでダウンロードってなんだよ

高:誰だって人が見てれば張り切って働くし,誰も見ていないと手を抜くんだよ。それが人情ってもんだろ

久:いやいや…パソコンの話だぞ。人情関係ないだろ

高:パソコンってのは人情の塊だろ

久:お前んちのパソコンどうなってんだよ

高:ずっと見ててやればパソコンもテンション上がって,ものすごい速さでダウンロードしてくれるから

久:見てる時だってあるけど,速さ変わらないだろ

高:まさかお前…,1人で見てるんじゃないだろうな

久:1人に決まってんだろ。なんで家族全員でダウンロード見てなきゃいけなんだよ

高:今ここにお客さんが1人しかいなかったら,お前だってテンション上がらないだろって言ってんの

久:なんですぐ漫才の話するんだよ

高:お前お客さんがたった1人でもテンション上がるのかよ

久:それは上がらないよ

高:でももしそのたった1人のお客さんがお前の意中の人だったら?

久:え?

高:テンションは?

久:上がるよ

高:そういうことだよ

久:どういうことだよ

高:パソコンにとってお前は意中の人じゃないってことだよ

久:あたりまえだろ

高:ふられたんだろうな,パソコンに

久:ふられてないわ!なんでパソコンに告白してしかもふられてんだよ俺

高:とにかくできるだけ多くのお客さんがいた方が,パソコンのテンションも上がって,ダウンロードのスピードも速くなるから

久:じゃあ家族だけじゃなくて,親戚一同集めてダウンロードを見ればいいんだな

高:おもしろいことになりそうだな

久:なんでお前も来ようとしてんだよ。それにダウンロードなんておもしろい要素0だからね

 

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