藤澤俊輔 「漫才コラム」と「漫才.コント.落語台本集」

漫才作家だけで食べていくために「オチを売るシステム」を模索中。「古典漫才」の普及を目指しフリー台本公開中。時々コントと落語

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かつらと文金高島田 THE FINAL

 

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続・かつらと文金高島田 の続編

当て書き:スパイク(小川暖奈 / 松浦志穂)

 

松浦:私,結婚するの

小川:誰と!?

松:高島田君に決まってるでしょ

小:高島田君って…あの高島田たかお君?

松:あんたが紹介してくれた

小:この間初めて会ったばっかでしょ

松:そうですけど何か?

小:「何か?」じゃないよ。早くない?結婚って

松:うまくいく時っていうのは大抵こんなもんでしょ

小:なんなのその急な勝ち組的発言

松:事実勝ち組ですけどね

小:あ〜分かった。今回はかぶって行かなかったからうまくいったんでしょ

松:かぶって行ったよ,ちゃんと

小:かぶって行ったの!? 文金高島田

松:文金高島田なんてかぶっていくわけないでしょ

小:じゃあ何かぶって行ったのよ

松:猫

小:猫?

松:あんたの最初のアドバイスでしょ。猫かぶって行けばうまく行くって

小:あ〜あれね

松:前回はあんたのアドバス無視してふられたから,今回はアドバイス通りちゃんと猫かぶって行ったわよ

小:どんなかんじで?

松:どんなかんじって…まぁ…前足をあごの辺りでしっかりと繋いだままにしてもらうようにしつけをして,前足がちょうどヘルメットのベルトみたいになるかんじでね…

小:待て待て。本物の猫かぶって行ったのか?

松:本物に決まってるだろ

小:「猫をかぶる」っていうのは本物の猫をかぶるってことじゃないだろ

松:偽物の猫かぶって行くってことなの?

小:あなたバカなの?諺でしょ

松:諺?

小:例えば,自分の子どもなら「目に入れても痛くない」なんて言ったりするけど,本当に子どもを目に入れるわけじゃないでしょ

松:痛いもんね,本当に目に入れたら

小:だからバカ?そもそも目には入らないだろ

松:そもそも目に入れたいと思わないだろ

小:とにかく…諺っていうのはそういうもんなの

松:もしかしてさぁ,私超恥ずかしい格好で街を歩いてたってこと?

小:今頃気づいたのかよ

松:ちょっと〜あんたが「猫かぶって行けばうまくいく」って言ったからでしょ

小:本物の猫をかぶって行くとは思わないでしょ

松:でもいいや。結局うまくいったからね

小:しかし…おもしろい顔の女が好きなあの高島田君とはいえ,本物の猫をかぶった女を見た時は度肝を抜かれただろうね

松:そんなことないよ。高島田君もかぶって来たからね

小:何を?

松:猫

小:高島田君も猫を!?

松:かぶってた

小:高島田君も誰かから「猫かぶって行った方がいいよ」って言われて本物の猫かぶって来たってこと?

松:裏事情は知らないけどさぁ…

小:ちなみに高島田君はその後かぶってた猫取った?

松:そりゃあ取るよ。高級レストラン行ったから

小:例のね。じゃあ見たんだ,高島田君の髪型

松:そこなんだよ

小:超フサフサだったでしょ

松:あれはひどかったよ

小:ごめん。「ハゲかかった人がいい」って言ってたけど,話の流れでおもしろい顔が好きかどうかを重視して紹介しちゃったんだよ

松:そういうことだろうと思ったよ

小:で,どうした?

松:最初は,「ゲッ!フサフサじゃねぇ〜かよぉ〜ふざけんなよぉ〜」って思ってドン引きだったけど,話してるうちに「いい人だなぁ〜」って思ってきてね

小:髪の毛のことは気にならなくなった?

松:そうなんだけど,でも私がハゲかかってる人が好きだっていうのがばれちゃってね…

小:言ったの?

松:どんな芸能人が好きかっていう話になって,私が「ブラックマヨネーズの小杉さんとか,バイきんぐの小峠さんとか,三浦マイルドさんとか,ニコラス・ケイジさんが好き」って言った時点で…ばれた

小:ハゲ芸人ばっかじゃん!しかもキングオブコントM-1とR-1の優勝者揃い踏みだろ!

松:まぁね

小:そんな蒼々たるメンバーの中,ニコラス・ケイジっていう胡散臭い名前の芸人は誰なんだよ。刑事ものコント専門の芸人?

松:あんたなんてこと言うんだよ!ニコラス・ケイジは芸人じゃねぇよ。ケイジっていうのはそっちの刑事じゃないし。っていうかこん中で一番有名だろ,ニコラス・ケイジ

小:ニコラス・ケイジが?でもお笑いの大会で決勝まで行ったことないだろ。聞いたことないもん,ニコラス・ケイジなんて。予選落ちしたんだろうね,たぶん

松:違うわ!アメリカの俳優だぞ。アカデミー賞受賞者だぞ

小:そうなの!?

松:ニコラス・ケイジの話はどうでもいいんだよ

小:「ハゲかかった人が好きだって高島田君にばれちゃった」っていう話でしょ

松:そうだよ。そしたら高島田君が,「だったら僕,ハゲます!」って言い出してね

小:そういう男なんだよ,高島田たかおは

松:その場で髪を剃りはじめちゃってさ

小:高島田君の剛毛は半端じゃないから,剃るっていうより草を刈るっていうかんじでしょ

松:剃ってるそばから生えてきちゃうくらいの剛毛だからね。結局ハゲにはなれなかったんだけど,「私のためにそこまでしてくれるんだぁ〜」って思ったらもう惚れちゃってねぇ〜
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松:なぁ〜んて話をしてたよねぇ〜10年前は

小:あれからもう10年かぁ〜。たかお君は相変わらずの剛毛なの?

松:剛毛,剛毛,死ぬまで剛毛だわあれは。あんたの旦那は?

小:うちのはもうツルッツル

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