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空気清浄機

当て書き:タイムマシーン3号(関太 / 山本浩司

 

関:俺実はさぁ,バイトやめて就職したんだよね

山本:お前……一人前の漫才師になって「笑いで世界中の人々を幸せにする」っていう夢あきらめたのかよ

関:就職と漫才は関係ないだろ

山:あるよ。普通の会社に就職したらあんまり漫才できないからバイトでしのいできたんだろうが

関:普通の会社じゃないから大丈夫なんだよ

山:どんな会社だよ

関:空気清浄機の会社

山:普通の会社だろ

関:会社は普通だけど,勤務時間は自由なんだよ

山:じゃあ今まで通り漫才やれるんだな

関:当たり前だろ

山:それならいいけど…,なんで空気清浄機の会社に就職したんだよ

関:俺は今まで「笑いで世界中の人々を幸せにできる」って思ってたけど,最近の環境問題のニュースを見てさ,「世界中の人を笑わせるだけじゃ駄目だ,世界中の空気もきれいにしなくちゃ駄目なんだ」って思うようになったんだよ

山:どうしたんだよ急に?

関:俺もそういう年になったってことだよ。もうバカなことばっかりやってられないっていうかさ

山:お前やっぱり漫才やめようとしてるだろ

関:なんでだよ

山:今「バカなことばっかりやってられない」って言ったろ

関:お前……漫才をバカなことだと思ってんのか?全然バカなことじゃないだろ漫才は。俺はプライドを持って真剣に漫才やってんだよ。漫才で世界中の人を笑わせながら,世界中の空気もきれいにする,それが今の俺の夢なんだよ!

山:お前……かっこいいな

関:いや…それほどでもないよ。たださぁ,新しい仕事結構きついんだよね

山:空気清浄機の仕事が?

関:そうなんだよ。鼻から汚い空気を吸って,口からきれいな空気を出すっていう仕事なんだけどさぁ…

山:自分でやんの?

関:当たり前だろ,仕事だぞ

山:そういうことじゃなくて,空気清浄機の販売とか開発じゃなくて,自分で鼻から吸い込んで空気をきれいにする仕事なのかよ

関:そうだよ

山:そんなんじゃきれいになんないだろ

関:それは志次第だろ

山:そういう問題じゃないだろ

関:気持ち重要だからな。しかも俺の志はかなり高いから。世界中のほこりというほこりを鼻から吸い込んで,全世界の空気をきれいにしようと思ってるからね

山:すごいなお前

関:だたさぁ,この仕事を1人でやるのはちょっと厳しいかなっていうのもあるんだよね

山:ちょっとどころの厳しさじゃないだろ。世界中の空気をきれいにするんだろ?

関:だから……一緒にやろう!

山:俺が?

関:お前だって世界中の空気きれいにしたいだろ

山:したいけど無理だろ,鼻からほこりを吸って口からきれいな空気を出すなんて

関:そんなことないって。お前が気づいてないだけで,鼻には天然の超高機能フィルターがついてんだぞ

山:それ鼻毛だろ

関:お前……なんで知ってんだよ,鼻毛が超高機能フィルターだってこと

山:なんでって…

関:さてはお前……行ったな,講習会

山:講習会?

関:「鼻毛は地球を救う」っていう講習会だよ

山:……行ったよ

関:なんで黙ってたんだよ

山:「鼻毛は地球を救う」っていう講習会に行ったなんて恥ずかしくて言えないだろ

関:恥ずかしくないだろ。地球を救えるんだぞ

山:しかも俺,最後の呼吸法の講習?時間なくて受けてないんだよね。なんか鼻からこうやって吸うんだろ,ほこりを(吸おうとする)

関:あ〜危ねぇ〜よ

山:何が?

関:お前最後まで講習受けてないんだろ

山:受けてないけど…

関:自己流でやると怪我するぞ

山:怪我?

関:俺もこの仕事はじめたとき自己流でやって大怪我したんだから

山:大怪我ってなんだよ?

関:デブになったんだよ

山:それ怪我によるものなの?

関:俺昔ガリガリだったろ

山:お前ガリガリの時代なんてなかったろ

関:とにかく,俺の二の舞になってお前まで太っちゃうと漫才師としてかなりバランス悪いから,やり方ちゃんと聞けよ

山:デブとデブのコンビをやんわり否定してるだろ,デブのお前が

関:まず,鼻から吸って口からはく,これが基本だから。絶対に口から吸うなよ

山:口から吸ったらどうなんの?

関:(体を指差し)こうなる

山:大怪我するわけね

関:気をつけろよ

山:とにかく口から吸わなきゃいいんだろ

関:鼻には鼻毛という名の超高機能フィルターがついてるから,鼻からなら安心して吸い込むことができるからな

山:鼻からね…(吸おうとする)

関:ちょっと待って。この仕事は大量のほこりを吸い込むことになるから,通常の鼻毛だけでじゃ対応しきれないぞ

山:「通常の鼻毛だけじゃ対応しきれないぞ」って言われても……どうすりゃいいんだよ

関:これを鼻に塗れば大丈夫だから

山:何これ?

関:HFK

山:HFK?

関:この薬品,何の略か分かるか?

山:HFKだから…,…ヒューマン…フューチャー…

関:鼻毛 増やす 薬

山:そのまますぎるだろネーミング

関:とにかくこれを鼻に塗ると,個人差はあるけどだいたい3分もすれば鼻毛がボワッといきなり生えてくるから

山:3分で?

関:急にすごい勢いでくるから,ちゃんと踏ん張っておけよ

山:踏ん張るって…そんなにすごいのかよ生える勢い。で,どれくらいつけたらいいんだよこれ

関:それは…鼻毛をどれくらいの長さにしたいのかによる。どれくらいにしたい?

山:3mくらい?

関:そんなに?

山:え?長すぎる?

関:長すぎるだろ。10cmくらいで十分だよ。10cmならこれくらい塗ればいいから

山:分かった

関:うぅぅわぁぁぁ~!!

山:えっ!?

関:びっくりしたっ!! 今急にボワッて一気に生えてきた!

山:もう? まだ1分もたってないだろ

関:そういえばこれ,やる気があるとその気持ちが鼻毛にも伝わって早く伸びるんだった

山:どうなってるんだよそのシステム。それにお前めちゃくちゃやる気あるじゃん!数秒でぼうぼうだぞ

関:お前は?

山:え?

関:まだ生えてこないのかよ

山:まだ…だな…

関:お前…

山:いやいやいや。やる気あるって。おかしいなぁ〜まだ…うぅぅわぁぁぁ~!! 生えてきた!ボワッて,一気に!!

関:お前今「やる気ない」って疑われた瞬間にすかさずやる気出しただろ

山:前からあったってやる気は…

関:ちょっと待て。お前鼻毛長っ!軽く3mはあるじゃん!

山:俺,HFK,お前より多めに塗ったからね

関:やる気あんじゃん!

山:だからあるって言ったろ。世界中の空気をきれいにするんだからな,俺たち二人で

関:こんなに長い鼻毛見たことないよ。これで吸ったらすごいことになるぞ

山:じゃあ俺,吸ってもいいか?

関:タイミング教えるから。いいか?吸って~,吐いて~。吸って~,吐いて~。よし,その調子だ。俺もやるから

(二人で吸って吐く)

関:すごいなこれ,やっぱ二人でやるとすごい勢いでほこりが取れるよ

山:え?ほんとに?

関:ほんとだよ。お前天才なのか?

山:俺,天才?

関:よ〜し,もうこの会場のほこりは全部取り終わった!

山:もう?

関:この勢いでとなりの会場のほこりも取りに行こう!(舞台を去ろうとする)

山:ちょっと待てよ。漫才どうするんだよ?

関:どうって?

山:おまえオチもつけずに行くきかよ

関:いいよ別にオチなんて

山:お前,プライド持って真剣に漫才取り組んでるんじゃなかったのかよ!

関:プライドなんていらないだろ

山:なんでだよ

関:誇り(ほこり)だからな

 

 

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