藤澤俊輔 「漫才コラム」と「漫才.コント.落語台本集」

漫才作家だけで食べていくために「オチを売るシステム」を模索中。「古典漫才」の普及を目指しフリー台本公開中。時々コントと落語

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山芋部II

 

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部長:「勧誘は 糸を引くほど ネバネバと!」

部員:「勧誘は 糸を引くほど ネバネバと!」

部長:我が山芋部の創始者,自然薯芋三郎(じねんじょいもさぶろう)先生の言葉に従い,今年こそ,新入部員を獲得しよう!

部員:ぶ…部長,そのことなんですが……

部長:意見のあるものは遠慮なく大きな声で言いなさい

部員:はい!去年は山芋部の粘り強さが完全に裏目に出ておりました!

部長:裏目に?どういうことだ?

部員:去年の部長の勧誘はあまりにも粘っこく,文字通りネバネバと糸を引いており,新入生は完全にドン引きでした

部長:ド…ドン引き!? しかし…君は入部したじゃないか

部員:僕は山芋部に入部するためにこの学校に入学しましたから

部長:そんな奴はじめてだよ。でもなんで?

部員:祖父が山芋部の創始者だからです

部長:え!? そうなの?じゃあ自然薯芋三郎先生のお孫さんってこと!?

部員:はい

部長:そういうことはさぁ〜……最初に言ってよぉ〜

部員:申し訳ありません。聞かれなかったもので…

部長:この1年普通の後輩として接してきちゃったからさぁ…,今さら芋三郎先生のお孫さんだと分かったからって敬語で話すのも変だよねぇ〜

部員:今まで通りでお願いします

部長:そう?で?去年の僕はネバネバしすぎてた?

部員:はい

部長:もう少しサラッとした粘りの方がいいのかなぁ〜

部員:はい

部長:でもそれだと誰も入ってくれないよねぇ…。今だって山芋部二人しかいないのに

部員:いいアイデアがあります

部長:いいアイデア

部員:はい。山芋部の活動と言えば,山芋を取りに行くことと,その山芋をすり下ろしとろろにすることです

部長:そうだね

部員:活動が地味じゃないですか?

部長:地味って……それが自然薯芋三郎先生の山芋理論に基づく山芋部の伝統だからねぇ

部員:それにしても地味すぎます

部長:芋三郎先生の孫の言葉とは思えないね

部員:むしろ自然薯芋三郎の孫だからこそ,祖父の作り上げた山芋部がこのまま廃れていくのを指をくわえて見ているわけにはいかないんです

部長:なるほど。で,いいアイデアっていうのは?

部員:ここは一つ,ジャガイモとサツマイモの力を借りるべきではないかと…

部長:ジャ…ジャガイモとサツマイモの力を!?

部員:こうなったら正直に言います。山芋部の活動が地味なのではなく,山芋が地味なんです!

部長:そ…それは……みんな薄々気づいてはいるが絶対に口にしてはいけない言葉じゃ…

部員:分かっています。しかし…このままでは山芋部は廃部です。今は改革の時なんです。ジャガイモとサツマイモの力を借りましょう

部長:借りるって言ってもねぇ…

部員:ジャガイモはとにかく顔が広い。カレー・肉じゃが・グラタン・サラダなどなど,彼は誰とでもうまくやっていける。山芋とは大違いです

部長:人見知りが激しいからね…山芋は…

部員:サツマイモには華があります。石焼き芋・スイートポテト・大学いも・さつま汁などなど,メインを張れる華やかさがあります

部長:そんな風に比べられるとさぁ…なんか山芋が全然魅力ないような気がしてきちゃったよ…

部員:何を言ってるんですか部長。芋も人間も同じなんですよ。普段はかっこよく見えたり,人当たりがよく見えても,逆境に直面した時に本性が出るんです。ジャガイモやサツマイモはすり下ろすとどうなりますか?わけのわからないものになるでしょ。その点山芋はすり下ろすという逆境に直面すると「とろろ」になるんですよ。あの純白できらきらとしたとろろの輝きを忘れたんですか?

部長:僕が間違ってた。山芋部部長として一から山芋と向き合ってみるよ。そうだ!これから一緒にとろろそばでも食べながら,山芋について語ろうじゃないか

部員:いえ,僕はフライドポテトにします(立ち去る)

部長:おい!ちょっと待て。芋三郎の孫がそんなことでいいのか!(追いかける)

 

 

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