枕(まくら)
落語には「枕(まくら)」というものがあります。本題に入る前の話,今風に言えばフリートークのようなものです。
落語や漫才だけでなく,生の舞台は生き物であるとよく言われます。毎日違ったお客さんが入り,その日その日の「空気」というものがあります。「空気」をつかみ,話に深みを出すのに役立つのが枕です。
漫才においても,枕のようなものは存在しています。特に舞台では,それなりの持ち時間があるので,すぐにネタに入るのではなく,少しフリートークのようなものを入れることがよくあります。
しかし,TVでの漫才の持ち時間は非常に短く,すぐにネタに入る場合が多いのが現状です。それでも,一般に「うまい」と言われる漫才師は,短い時間の中でも,うまく枕のようなものを入れており,それは漫才に味わいを添えるものとなっていると思います。
どんな漫才師が,どのように枕のようなものを入れているのかについては,また書きたいと思います。