演じているようで…
漫才はいつも
演じていないようで,演じている
演じているようで,演じていない
これが醍醐味であると思います。
漫才には普通台本があるので,それを演じます。例えば,相方のセリフに驚くという場面があれば,驚く演技をすることになります。この場合,「演じてないようで,演じている」という状態である必要があります。(それが「演じる」ということですが…)
しかし,同じセリフであっても毎回その言い回しは変化するので,相方のセリフの言い方によって,本当に驚いてしまうこともあります。特に,アドリブを入れた場合には,演じているのではなく,素の反応が出ることがよくあります。
アドリブは,それがアドリブだということが誰の目にも明らかな場合もあれば,アドリブなのか台本通りなのかを識別できない場合もあります。アドリブだとわからない場合,演者は素の反応をしているのに,見ている方は演じているのだと思うかもしれまん。つまり,「演じているようで,演じていない」ということになります。
すべて台本通りに演じることしかしないコンビがいるとするなら,そのネタをやればやるほど,本人たちは飽きてしまいます。そしてそれは漫才にも反映され,生気のない漫才になってしまうでしょう。
漫才はいつも
演じていないようで,演じている
演じているようで,演じていない
このような状態が理想的なのではないかと思います。